容疑者Xの献身』(東野圭吾)読了。

探偵ガリレオ』の続編*1ということで、久しぶりに東野作品に手をだした。ぐいぐい読ませる。いや、東野圭吾なんだから当たり前なんだけど。

追記:2005/9/5
今さらですが「続きを読む」にしてみました。ネタばれをしてるわけじゃないんですけど、作品のおもしろどころを割っているので*2


かなり思い切ったトリック*3が使われており、そのあまりの大胆さゆえに、途中でネタには気づいてしまう*4。しかし、それは瑣末な問題で、読みどころはトリックと動機の結びつきだ。その動機ゆえに、このトリックだったのか、このトリックゆえに、この動機だったのか。評す言葉は、「凄まじい」のひとこと。

本格ミステリはトリックも大事だが、それはあくまでも道具にすぎないんだな、とつくづく思った。トリックだけじゃない「何か」を持った本格ミステリは、それがどんなに荒唐無稽な話であっても、読者に有無を言わせず、納得させてしまう。

おそらく、これは本格ミステリ大賞とるだろう*5。少なくとも、その水準を持つ作品であることは間違いない。本格ミステリに一家言もつ、投票棄権した癖に文句をいう某氏*6は、これ読んで出直せ。

あ、ちなみにこの作品では直木賞は獲れません。Wナベ氏が確実に文句つけるだろうから*7

*1:『予知夢』も同じシリーズだったのか。今知った。

*2:感想ってそういうものなんだけど、この作品は、できればまっさらな気持ちで読んでもらいたい。

*3:すでに誰かが使ってるかもしれない。前例はありそう。

*4:ミステリ好きはありえないことから考えてしまうのだ。

*5:いや、『天使のナイフ』(薬丸岳)も評判いいので、とれるとは限らないけど。

*6:俺もしつこいな。

*7:これはもう鉄板。間違いない。