しまった。下のリスト、入れ替え。『館島』<『扉は閉ざされたまま』(石持浅海)でした。忘れてました。感想を書くのは、もう面倒なので、書かんけど。

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今年読んだ本の中でおもしろかったものを順不同で挙げてみる。ついでに感想も。

  • 『砂漠』(伊坂幸太郎
    • (映画監督の)タランティーノだったと思うのですが、映画というのは、脚本と配役が完璧ならどんな撮り方をしてもおもしろくなるんだ、みたいなことを言ってました。小説も同様だと思います。伊坂作品というのは、脚本(=プロット)と配役(=登場人物のキャラクタ)の完成度が非常に高いのですが、その中でも『砂漠』は特に秀逸。これでおもしろくないわけがない。
  • 『竜とわれらの時代』(川端裕人
    • まず取材力が凄い。で、それをうまく物語に注入している。話は荒唐無稽なんですが、取材で得られた情報をこれでもか!というぐらい入れ込むことで、現場の臨場感・リアリティが引き出されている。プロジェクトXみたいに。バックボーンをこれだけおもしろくする人って、なかなかいないと思う。
  • 容疑者Xの献身』(東野圭吾
    • とにかく凄かった。このミス、本ミス、文春、3つのミステリランキングすべて1位ということで、これ以上褒めようがない。そんな必要がない。
  • 『老ヴォールの惑星』(小川一水
    • 小川一水という人は、ライトノベルには絶対に向いてない、SF路線でいくべきだ!と確信した作品群。「絶望の中の希望」がテーマで、まあ、エンターテイメントの王道といえばそうなのですが、この絶望度合いが深いんですよ。そして、それだけに最後の希望の輝き方が凄い。1000ワットぐらい。……1000ワットでどのくらい眩しさだ?よくわからん。まあ、とにかく眩しいと思ってください。
  • 『館島』(東川篤哉
    • この人は、どこまで許されるか、読者に対してチキンレースを仕掛けている。そして、それにまんまとはまった自分。正直、悔しい。こういうベタな展開が許される、非常においしい位置をうまくせしめたと思う。まあ、目の付け所が良かったということで、素直に褒めておきましょう(って、全然素直じゃないけど)。今後、ベタなボケをした人には、「お前は東川篤哉か!」というツッコミをしようと思います。

他に印象に残ったものは以下のとおり。おもしろいんだけど、もう少し、というものです。

もう少し、といいつつも、このあたりは読んでもハズレはないです。よくみると『館島』より面白い作品もあるな(笑)

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  • 『失踪症候群』(貫井徳郎)
    • 『慟哭』のイメージが強すぎて、すっごく警戒しながら読んだんですが、まっとうな展開で騙されました。結局、騙されるのか。
  • 『予告探偵 西郷家の謎』(太田忠司)
    • ひっくり返った。あまりのB級っぷりに。壁に本を叩きつけました(褒め言葉)。