体がだるかったので熱を測ってみたら37℃。遠慮なく会社を休む。今日はおとなしくしておこう。って、日記を書いてるし。普段書いてないくせに。いやいや、おとなしく日記を書いているのだ。

雨恋』(松尾由美)を読んだ。ひとことで感想を言うなら、

「エロ泣ける」

ちょっと煽りすぎか。ストーリーをざっくり書くとこんな感じ。

引越し先のマンションにいる幽霊。自殺じゃない、殺されたのだ。事情を聞いた主人公は事件の解明に協力をするのだが……。

この手のストーリーは、ラストが縛られる。最後がどうなるかバレバレだが、そこは松尾由美テイストを込めることで、これまでの先行作品との差別化が図られている。

具体的にいうと、幽霊は女性、主人公は男性。男と女がひとつ屋根の下にいたら、そのことを考えないのは変だろ(とか書くと、どこぞの選考委員みたいだが)、そこで一方を幽霊という縛りを与えることで、ギリギリな感情を表現している。

あくまでも俺認識なんだけど、松尾由美という人は、「セックス」と「ジェンダー」の間*1をうまく表現する作家だ。いかんなくその手腕が発揮されている。

帯もすごい。

文学賞メッタ斬り!』の大森望氏も涙!
ありえない恋
スト2ページの感動

ありえないのは大森さんの涙じゃないのかって、ちょっと思ってしまった。こんな失礼なことを書いちゃいかん、と思いつつ、書いてしまった。だって、オチが思いつかないんだもん。ごめんなさい。

*1:ここでいう「セックス」と「ジェンダー」の定義は、wikipediaにある「先天的・身体的・生物学的性別を示すセックス(Sex)に対して、後天的・社会的・文化的性別のことをジェンダー(Gender)というとされる。」としている。簡単に定義づけることはできないらしいんだけど。動物的な感情と人間として理性という意味合いを持たせたかった。