『サマー/タイム/トラベラー1』の感想がぼつぼつ出始めている。

自分の感想と温度差があった浅木原さん(id:asagihara)の感想を全文引用してみる。人それぞれ意見が違うのは当たり前なので、批判というふうにとらえないでくださいね。語るためのきっかけです。

時間を超えてしまう少女と、それを取り巻く高校生たちの一夏の物語。……が、見事なぐらい何も起きない。淡々と進む夏の日々、語られるのは数々の時間SF。「星の、バベル」のような衒学趣味ではなく、ケレン味しかないいつもの新城節でもなく。何も起こらず、ただ少年たちは時間SFを語り、少女の不思議を追いかける。ただそれだけの話だ。挙げられるSFの半分以上を読んでるようなSFオタ向けなのかもしれない。ふむーん。本当に何も起こらないので、2巻を読んでみないことには判断のしようもないが、とりあえず現状ではまぁ普通に面白いというところかな。来月待ち。

僕なんかは「何も起こらない」ではなく、「何かが起きつつある」というところにおもしろさを感じた。新城カズマの他の作品を読んでないから、こういう温度差がでるのだろうか。(浅木原さんに限らず)特に温度差を感じるところは、ストーリーに対する期待感を書いた感想が少ないということ。

いろいろなサイトで、感想の中心として「数々の時間SFが〜」って書かれているが、それは作品の香辛料(スパイス)だと思うんだよね。話の中心じゃないと思う。スパイスを評価するのは、マニアに任せて、出汁の美味さををもっと語ってほしいというのが自分の気分。

まぁ、自分自身、「ミステリのトリック」にほとんど関心を払わない(価値を置かない)種類の本読みなので、余計にそう感じるのかもしれない。教養主義?知ったこっちゃない。

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実際のところ、挙げられている作品の半分も読んじゃいないけど、タイトルぐらいなら知っている有名な作品が多かったから、薀蓄としても、そんなに大したものじゃないと思うんだけど。