『南方署強行犯係 狼の寓話』『南方署強行犯係 黄泉路の犬』(近藤史恵)読了。

んー。正直、失敗作なんじゃないかな*1。警察小説としてはテーマに対する掘り下げ方が浅いと思う。『狼〜』の方はDV、『黄泉路〜』はアニマル・ホーダー*2を扱っているんだけど、ふーん、そうなんだ、ぐらいの感想しかでてこない。深刻さを感じることができなかった。近藤史恵らしい痛さがでてないんだよな。

登場人物にしても、女性刑事の描き方が、冷徹なようで、実は優しい、というふうにしようとしているようだけど、それほど冷徹なようには見えないし。一人語りしている刑事と、その兄にしても、コミカルさを出そうとしているのか、それとも別の意図を持っているのか。中途半端さの方が際立ってしまっている。

そんなわけで点数は辛めで。

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早く『女王様と私』(歌野晶午)を読まないと。あらすじだけでネタばれになるような作品らしいし。というか、そういう著者の意図なのか。早く読まないと、ネタばれされちゃうよ〜、みたいな。

*1:といいつつ、1日でシリーズ2冊とも読んでしまったんだけど。

*2:動物を収集し、抱え込みながら、その動物の世話を充分にしない人たちのこと。過剰多頭飼育者。